前回の試験で 2N3904 を入れ忘れたので、それを加えて再試験をしました。結果はこちら
$ analysis.py round2_result.txt data/1_2SC828.wav 6 {'win': 20, 'lose': 8} data/3_BC547 F.wav -3 {'win': 11, 'lose': 17} data/5_2SC3311.wav 3 {'win': 17, 'lose': 11} data/6_MPSA18.wav -1 {'win': 13, 'lose': 15} data/7_2N4401.wav 3 {'win': 17, 'lose': 11} data/8_2N5087.wav -11 {'win': 3, 'lose': 25} data/9_KSD5041.wav 0 {'win': 14, 'lose': 14} data/A_2N3904.wav 3 {'win': 17, 'lose': 11}
前回圧倒的に悪かった 2N5210 は除外しました。BC547 はフェアチャイルド製とオンセミコンダクタ製のものでサンプルをとったのですが、それほど違いがないようなので今回はフェアチャイルド製だけを使いました。
今回は 2N5087 が際立って悪くなりました。試験中に「変な音」のサンプルが一つ混じっていることに気付いたのですがどうもそれがこのトランジスタだったようです。
他は僅差で違いがわからないものも多く、違いがあるかな、と感じてもどちらが良いかという判断がつかない場合が多く、試験はかなり難しく感じました。
スコアの傾向が前回とやや違うことを考えると、2N5087 以外のスコアに本当に差があるのかどうかよくわかりません。それを言うには統計的に有意な差があるかどうかの計算をする必要があります。
あとで答え合わせ的に 2SC828 を基準にトランジスタの種類を見ながらききくらべてみました。いくつか特徴的なものの印象です。
- 2SC3311 は 2SC828 とそっくりです。私にはききわけがつきません。
- 2N3904 は2SC828 より少し重い感じ
- BC547 は 2SC828 より明るい音に感じます。少しばたばたレベルが動く感じがしますがそれが良いか悪いか決められず、このトランジスタは試験のたびにスコアが一番動いていました。
- KSD5041 は、ノイズレベルが他のトランジスタよりかなり高く、また聴いた印象も他とやや違いました。レベルのばたつきが非常に少なく(波形を分析しても同様のデータが見られます)、聴いた感じは低音から高音までびっちり詰まっている印象。これを楽器に使ったらどうなんだろう、という点がよくわかりません。スコアもいつも平均的でした。測定目的ならこのトランジスタが一番向いていると思います。
実際の音に興味のある人のためにデータを以下に置いておきました
https://gaje.jp/resources/noise_data_4s.zip
はじめまして。私も最近Analog2.0の作成をはじめ、今まさにノイズ源を試行錯誤していたところです。紹介されている実験方法は大変参考になりました。私は入手性の良さもあり2N3904を暫定候補としています。ところで、私の手持ちの2SC3311は全くノイズを発生してくれません。こちらのサイトで部品販売されている2SC3311は足が広がっているタイプのものですが、私の手持ち品は足がそろっています。回路はAnalog2.0の書籍そのものなのですが。。
monoma さん反応が大変に遅くなってしまいましたがコメントありがとうございます。
2SC3311 がノイズを発生しないなんてことがあるのですね。以前に昭和時代に入手した 2SC945 を試したらノイズが出ず、トランジスタの年代によっては仕組みが違って出ないんだろうかなどと不思議に思ったことがあります