月別アーカイブ: 2008年11月

プリント基板

初めて本格的なデジタルな作り物をやってます。

なんだかんだで膨れ上がって、基板四枚規模になってしまいました。

線が細かくて、なにやらとてもデジタルな雰囲気が漂っています。

これらの基板、パタンを起こすのに一番かかったもので、5時間でしたが、両面基板を前提にすると、10秒ほどでCADが自動ルーティングしてくれます(片面だと自動ルーティングはまず成功しません)。ただし、今度は via のパタンが細かすぎて、手で作るのは恐ろしく大変になってしまいます。

しかし、5時間の短縮は、劇的です。作るのが難しいのは、基板製作サービスを利用すればよいわけですから、特にディジタルものでは、基板は外注するほうが現実的かもしれないですね。

デイブ・スミスの魔法

デイブ・スミス

シーケンシャル・サーキット社の設立者で、あの Prophet-5 の設計者です。

Prophet-5, Pro-One, Prophet-600, Evolver, Prophet ’08 というようなシンセを設計してます。他にも、Yamaha SY22、Korg Wavestation も設計しているそうですが、残念ながら音を聞いたことがありません。

彼の設計したシンセは、一貫して独特の「りりしい」音がします。ものすごくいい感じです。

でも、彼のシンセの設計は、実に「普通」なのです。回路図を見ても、奇をてらったようなところは全くありません。たいていの場合、「ほとんどデータシートの推奨回路どおり」です。これでどうやって、あの非凡な、しかも一貫して方向性のある音作りがなされているのか、いつも不思議でなりません。

そして、最近まで知らなかったのですが、彼は MIDI 規格の設計にも関わっているそうです。

MIDI規格ができたのは1982年、今でも、音楽データのインタフェースとして普通に使われています。単一のインタフェース規格が25年間も使われ続ける、ということは、そうたくさんはありません。非常に優れた規格なのだと思います。

MIDIの仕様を見ると、なるほどと思います。理解しやすく、また非力なプロセッサでも難なく処理できるように、オーバーヘッドが小さくできています。MIDI の仕様もまたとても「普通」なのです。ここも、なにかデイブ・スミスのにおいがします。

世の中に「普通」で「平凡」なものはたくさんあります。でも、「普通」で「非凡」なものは、そうはないと思うのです。きっとただ普通なのではなく、どこかに魔法があるのだと思います。どこなのか私にはさっぱり分かりません。

そんなことを考えながら Prophet-5 の回路図を読んだりしている近頃です。

SSM2040 の特許

最近、トランジスタラダーフィルタの実力をちょっと見直しています。

今まで組んでみた経験のあるフィルタはそれほど多くはなく

  • トランジスタラダー (minimoog 回路のコピー – くろちゃんで使用)
  • Korg35 タイプ (初期型 MS20 の回路を参考 – SX-150 で使用)
  • 積分器を使った4-pole LPF (いわゆる Roland 型 – Analog2.0 で使用)
  • SSM2044 (中身はトランジスタラダーに近いらしい – ブレッドボードで試験)

これぐらいであります。2044 は、やはりトランジスタラダーに似ていますが、それも含めて、トランジスタラダーは良い音がするのです。第一印象も良いですが、他の楽器とあわせてみると良さが出てくるのがトランジスタラダーです。(そういう意味では、Korg35 もかなり優秀ですが)

そんなことを、つらつら考えていたら、ほかにも、色々試してみたくなってきました。次はやはり、あの SSM2040 フィルタに挑戦したいところです。

SSM2040 のデータシートは alldatasheet.com から入手できます。

http://www.alldatasheet.com/datasheet-pdf/pdf/94000/ETC/SSM2040.html

そして、SSM 2040 クローンは、ドイツが本場

http://jhaible.heim.at/tonline_stuff/jh2040.gif

http://www.uni-bonn.de/~uzs159/rs2040.html

上記の回路をコピーすれば試験はできるのですが(実はもう基板まで作ってありますがが数年放置になってます)、どうして、これが2040なのか、かねてから疑問でした。そこで、もと特許を探してみたら、出てきました。

http://www.freepatentsonline.com/3969682.html

これとデータシートを見比べると、かなりのことがわかりそうです。インターネットありがたし。さっそくまずは勉強勉強です。

ところで、この特許の権利者は、Oberheim なのですね。知らなかった。

genoQs Machines

こんなサイトを見つけました。

genoQs Machines

あまり詳しい説明はありませんが、どうも、MIDI シーケンサーを作っているドイツの会社のようです。

2008年11月6日現在、トップに出ているシーケンサーの美しさが圧巻です。

Octopus という製品らしいです。なんというかっこよさ。テノリオンのようにマトリクス型の操作盤でパタンを作ってゆくようですが、さらにきめこまかな設定が可能なようです。

価格が2000ユーロを超えています。シーケンサーの値段だと思うと驚きです。何もかも破格です。

2008年 アナログシンセ・ビルダーズ・サミット Analog Synthesizer Builders’ Summit 2008 Report

11月2日に、アナログシンセ・ビルダーズ・サミット、今年も開催されました。今年も、約30名の参加で、盛況でした。写真を撮ってきたので、リポートします。

We had the “Analog Synthesizer Builders’ Summit” this year also in Akihabara, Tokyo. About 30 people attended and exchanged a lot of hard-core technical information. Here are some pictures taken there…

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