Moog の音

Genie さんの blog で面白い記事が紹介されています。Moog の音はなぜ Moog なのか?

http://matrixsynth.blogspot.com/2006/01/why-moog-sounds-like-moog.html

私 Minimoog に最後に触ったのは中学生の時で、その音はとても素敵だったという印象だけ残り細部は忘却のかなたですが、先日動き出した Moog921 もどき VCO は、TB-VCO や CEM3340 といった私が聞くことができる別 VCO と比べるとやや独特な電子音らしからぬ音がしております(ここで太いとかあたたかいという形容詞は避けたいところですが結局他にうまい言葉がない)。勝手に「これが Moog の音なのかな」と考えたりしています。

さて、上記引用記事、本当かしら、と首をかしげる部分もいくつかありますが、音の違いはジッタによる、という要素はありそうで面白いです。中公新書から出ている安藤由典さんの「楽器の音色を探る」という本に「生楽器はなぜ音が生なのか」を議論している章があって、やはりジッタの効果が指摘されています。ちょいと昔にはやった「1/f ゆらぎ」なんてのも言葉を変えれば「ブラウンノイズによるジッタ (AMの場合もあるが)」ですし、なんだかその辺に魔法がありそうかも、と思わせるものがあります。

Moog に限らずアナログシンセは独特の音楽的に魅力のある音がする、ということはよく言われ私もそう感じる方であります。なんでそうなるのかよくわからず、この謎はいつか納得行くまで調べ上げてみたいテーマであります。


ちなみに、私の Moog921 もどき、ときどき電源ハムによるジッタが入りますが、これはかなり不快です。サックスのダーティートーンみたいになるので、狙って入れるなら面白いですが、常に入り込んでくるとちょっと困ります。規則的なのがいけないのか過ぎたるは及ばざるがごとしなのか。

ところで、「楽器の音色を探る」調べたら絶版になっていました。良書と信じていたのに残念。図書館にはありそうです。横浜市にはありました。迷信先行になりがちな楽器の音色に定量的な理論付けをしようという趣旨の本で、内容はもうほとんど忘れてしまいましたが、フルートの上手下手を評価するために人工唇を作って材質や吹き方と音の相関を調べたり、本物のホルンと電子オルガンのホルンはどう違うんだ、ということを調べるため(本が書かれた当時は非常に難しかった)スペクトログラム解析をして比較してみたりと、徹底して定量的に楽器音に立ち向かう著者のチャレンジャーな姿に感動したのは覚えています。

3 Comments

  1. TBどうもです。MOOGのVCOもどきって、私もいじってみたくなったなあ。^^;

    本の話題が楽しかったです。

  2. gan

    こんにちは。そちらにコメントを入れようかと思ったのですが長くなってしまったのでTBにさせていただきました。音色の話は主観の世界にかなり近く、書くとなんとなくこっぱずかしいです。

    Moogもどき機会がありましたら是非いじってやってください。

  3. 電子オルガン電子オルガン(でんしオルガン electronic organ)は電子楽器の一種。基本的にオルガン|オルガン(パイプ・オルガン)を模倣しており、パイプがなく、電子回路によって音を生み出し、スピーカーから音を発する。中には、本来のオルガンの忠実な模倣から路線を離れ、独自の音色・文化を生み出

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