そこに人がいる気配

アナログレコードの話です。

アナログレコードとCDの優劣など語りつくされている感がありますが、それでもあえて書いちゃう。

アナログレコードを作業部屋に置ききれなくなって、家の奥深いところにしまうつもりなのですが、そうするともう気軽に聴けなくなるため、片っ端からPCに録音開始しました。

今日録ったのは Mal Waldron の Free At Last。ECMレーベルの一枚目としても有名ですが、そのわりになんとなくECM らしくなく、うねるような情念たっぷりの演奏が聴ける名盤です。

出だしのところ、まるでピアノの息遣いが伝わってくるような、ものすごい圧を感じる、ちょっとただなない気配がするんですが、それは、アナログ盤で聴いたときの話。

16bit/サンプルのデータに落としてしまうと、やはりというかなんというか、そんな気配はきれいに消えてなくなってしまいます。ただ、ああ、ピアノが鳴ってるなー、という感じ。

アナログレコードとCD、音に関しては圧倒的にアナログ盤のほうが好きなわけですが、アナログ盤を聴くと、「ああ、いいなあ、音が美しいなあ」と、よく思うのが、CDを聴いても一度も感じたことがないのが、なんとなくおなかで理解できた気分です。おおざっぱにデータ化すると、私にとって聞こえるか聞こえないかぐらいの、でもとても大切に感じている部分が消えてしまうんです。

ちっとオカルトっぽく言うと、空気が伝わってくるかこないか、て感じです。

あんまり語るとどんどん怪しい話になってゆくので、これぐらいにしときます。

みんなよく知っていることのような気がするし、結局はアナログ盤はしまってしまうわけで、書いてもせんないことではあるのですが、アナログ盤の音を聴くたびに何故か書きたくなるのです。何故なのかわかるまでは素直に書いておくことにします。

4 thoughts on “そこに人がいる気配

  1. 僕の好きなCD/レコードは全部、目をつぶって聞いていると、どんな奴が、どんな顔で演奏してるかが見える気がします。いや、好きで聞きこんだやつに限ってなのかもしれないし、アナログレコードだからじゃなくて、優れた作品ならば、なんでもなんじゃないかと思うんだけど…すっかり忘れてたけど、古いビートルズ、CDで聴きなおしてみたら、あ…。(続く)

  2. あ、ごめん、続きはないです、面白いネタだから引っ張りたいなと…。

    音を視覚的に捕らえるというセンスは、僕も子供の頃にはあったんだけど、最近、それを感じなくなってきたのかも。(感覚の)経年劣化なのか、いまはCDでしか音楽を聴いてないからなのかは分からなです。Ganさんは、レコードで聞けばまだ、見えると仰ってました。
    自分で音楽録音していて、可能な限り24bitで作業してます。サンプリングレートは44.1k。リバーブの消え際とか分かりますね、16ビットに落とした瞬間に。というか、ボーカル/アルトサックス以外は全部ライン(ギターも)ですからねえ、空気感が出るとしたらそこなのかな。
    僕の場合は演奏がヘボいのか、自分でやってるからなのか、なかなか、自分の顔が見えてくるような録音は少ないです。って、見えたらうっとうしいとも言うけど。

  3. あ、続き催促しちゃったみたいですみません。

    今使っているサウンドカードの E-mu 0404 は、44.1 kHz / 16 bit の、いわゆる CDフォーマットだけじゃなく、もっと高い精度での録音も可能です。
    それで、試しに 192 kHz 24 bit で録音してみたら、これはかなりストレスが少ないです。しっかり、音はきれいだと感じます。

    やはり、ディジタルはいい、いくない、の話でなく、単に CD のデータフォーマットはおおざっぱすぎる、というだけのことのようです。

    そこから進んで、いつもの議論、何で楽器をアナログで作るんだ、ということの理由に、「ディジタル楽器はじょりじょりいうから」といってしまうのは、それは本質を突いていなくていくない、ということになりそうです。

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