【はじめに】

WX5のリードの裏側には、カンチレバーと呼ばれる棒が入っていて演奏時のリードの噛み具合で、レバーが動くことにより、モジュレーションがかかります。この機能は、リップセンサーと呼ばれています。

このカンチレバーの反対側には、磁石がついていて、その動きを磁気センサーで検知することにより機能を実現しています。

この磁石が脱落してしまいました。こうなると、リップセンサーがきかなくなります。

この故障を修理しました。この修理は、ドライバーがあればできます。内部を破損しないように、かなり神経を使いましたが、特殊な技術や道具を必要とする修理ではありませんでした。

【修理の方針】

カンチレバーごと交換します。カンチレバーは、YAMAHAから補修部品として提供されています。

【修理の手順】

まず、マウスピースをはずします。マウスピースははめ込んであるだけなので、手ではずします。その際、リードは、誤って破損しないよう念のためはずしてから作業しました。

リードをはずすと、カンチレバーが見えてきます。

吹き口のところは、ゴムのキャップがかぶせてあります。キャップは、カンチレバーを通しているほか、二つの穴が開いています。
一つは、息抜き穴で、裏側でチューブに接続されていて、ウォータードレインから抜けるようになっています。
もう一つは、圧力センサーにつながります。
次に、ゴムキャップをはずします。ゴムキャップをおさえている金属のリングをはずして...
ゴムキャップを裏返すようにしてはずします。
完全に裏返っておちょこになりました。
ちょっと乱暴ですが、ゴムキャップを引っこ抜いてしまいます。見えているパイプの、長いほうが息抜きにつながり、短いほうが圧力センサにつながります。
ゴムキャップが外れたら、次に裏ぶたを取り外します。裏ぶたをとめているネジを全部はずします。
ここで、カンチレバーを止めているピンを抜いておきます。ピンははめ込んであるだけなので簡単に抜けます。紛失しないように注意して...
次に、基板を取り外します。まず、コネクターを抜いて、二箇所ネジをはずして...

※注:ネジやコネクタは右の写真の印以外にもあります。

ちなみに、磁力センサと圧力センサは、こんな風になってます。
いよいよ、カンチレバー交換です。本体からカンチレバーを取り外します。すでにピンを抜いてあるので、ひょいとはずれます。
上が古いカンチレバー、下が新しいものです。古いものは、右側の先端の磁石が外れています。
カンチレバーを差し替えたらあとは組み立てです。基本的に分解の逆手順ですが、圧力センサーと息抜きのパイプは先にとりつけてしまいます。また、ここでカンチレバーのピンをさすのも忘れないようにしないといけません。
はい、できあがり。あとは、リードを取り付けて、組み立てはおしまいです。MIDI信号をモニターして、正常動作を確認したら修理はおしまいです。

2 Comments

  1. 提供・・・

    どうもこの言葉が好きになれましぇん・・・。

    日本語としてどうなんだろとつくづく思います。

    “ソリューションを提供”とか”機能を提供する”とか。

    最近の日本語はよくわかりません。

    さて、本題。
    写真もちっと大きくできませんか?
    (うちのもあんまり人のことは言えないけど・・・)

  2. Gan

    提供 –> 供給 のほうが良い?実はここどう書くか迷いました。

    写真は、オリジナルサイズへのリンクを追加しました。確かに大きいほうが見やすいですね。一部オリジナルがこの大きさ、というものがあるのはご容赦ください。

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