長いこと使っている BOSS のモニタアンプ MA-15、大変聴きやすい音で大きさ的にも使いやすく重宝していますが、何しろ古いものでボリュームにひどいガリが発生しています。年々ひどくなって使用に支障が出るようになってきたので直すことにしました。

早速中をあらためてみましょう。前面のねじを外してパネルを外すと開けられます。

外側はだいぶん汚れていますが、内側はかなりきれいです。驚いたのが、写真ではわかりにくいですが、コネクタをほとんど使っていないことです。スピーカに繋ぐ線とパワートランジスタに使っているだけ、あとは電源の配線も含めて全部はんだ付けしてあります。このアンプは耐久性が高いと思っていたのですが、こんなこだわった作りになっていたのでした。やっぱり80年代のローランドの作り、好きだなあ。

基板を覆っているアルミ板は何かと思ったら、パワートランジスタの放熱版でした。

そして再び驚き、回路は一切 IC を使っていません。万一壊れても修理できる可能性大です。これもローランドのこだわりかもしれません。すばらしいなあ。

さて修理です。なぜか記事がないのですが、以前に SH-2 を修理したことがあって、使っている可変抵抗は分解ができて中を清掃したのですが、このモニタアンプも同じく分解清掃できるタイプです。ありがたし。可変抵抗はだいぶん悪くなっていて、軸を手で回すとざらざらした抵抗があり、いかにもガリが出そうです。

注意深く表側の爪を曲げてカバーを取り外します。足が柔らかく折れる可能性もあるので外してやった方が良いと思います。今回は半田吸い取りの道具がなく横着して基板に付けたままやりましたけれども。

可変抵抗の炭素膜をイソプロピルアルコールで掃除した後、接点改良剤 DeoxIT を入れます。以前はシリコングリースを使っていたのですが調べたところ後で埃を集めてしまったり情報によっては素材に対して攻撃性があるとかないとか(真偽のほどはわかりません)、DeoxIT は粘着性の少ない油で、かなり評判が良いです。すでにあちこちで使っていて(ゆるく)効果があることは確認済みです。

DeoxIT を炭素膜のところに入れ、後でべたつかないようにあふれた分をキムワイプで拭き取ります。汚れが浮いてきて紙がやや黒くなりました。外したカバーを戻して爪もまた折りなおします。あとは分解したのと逆の順序に基板等を組み立てます。

中身を箱に収める前に動作確認します。ボリュームの回転はすべすべになりガリもなくなりました。パネルもきれいめに磨いて良い気分。ジャックの穴も磨いた方が良いなと思いましたがまた後日。このアンプ少しハムが出るのでもう一度修理作業をするかもしれないのでその時にでも。


