ハンドクラップ、ミキサ、修正、回路組み立て完了

909 クローンの製作、基板の組み立て完了を急いでいたのでまたブログに記録を残すことを端折って作業をしていました。

さて、音源モジュールはあとハンドクラップを残すのみとなりました。

ハンドクラップ回路は以下の通り、クローンでは部品選択が違うだけで回路構成は全く同じです。部品が違うのは、Q38 のペアトランジスタ OTA、オペアンプ、比較器と半導体はほぼ全部代替品でした。Q38 のトランジスタは念のためマッチングを取ったものを使いました。このモジュールには、調整箇所があります。サービスマニュアルの回路図には調整の要領が書いてありますが、これには従わず音を聴いて好みのところに決めました。これは ENV1 と書かれたエンベロープジェネレータのかかりの深さを調整するもので、浅すぎるとハンドクラップのパチパチ音が入らず、深すぎると音量が飽和してしまい拍手らしくなくなってしまいます。このモジュールも特に問題なく組みあがりました。ENV1 の回路の動作原理はまだちょっとよく理解できていません。この回路で一発のトリガから複数のアタックが出るのです。巧妙です

ハンドクラップが終わると残る回路はミキサです。オリジナルの回路図は以下の通り。クローンでも基本は同じですが、モノラル構成なのと、マスタボリュームが付いていないのが大きな違いです。マスタボリュームは正直あったほうが便利なんじゃないかな?とも思いますが、このクローン、オリジナルと比べるととても小さいのです。出力は普通ミキサに入れて使いますからそちらで調整できると割り切ったのかもしれません。その辺の話聞いてみたかったなあ。というか analog さんから一度聞いたような気もするんですけれども。いろんなことを本当にたくさん忘れてしまいました。Q79、Q82/Q83 で構成される回路は電源を入れたときと切った時にクリック音が入るのを防ぐ仕組みです。

というわけで、音源回路は一通り組みあがりました。

DIN コネクタが一個ついていませんが、ここは DIN Sync 出力を付ける場所なのですが、DIN Sync 対応の機器を持っていないので使う予定がありません。何か別のことに使えないか思案中で組み立てを保留しています。いやはや、それにしてもすごい部品数です。

さて、これでめでたく基板完成、と言いたいところだったのですが、問題があって修正が必要です。一つは、メイン基板とスイッチ基板をつなぐコネクタ問題です。メイン基板とスイッチ基板はオスメスのピンヘッダコネクタで繋ぐのですが、ピンヘッダのピン長が短くて、もともと指定のスペーサの長さではコネクタが届かなかったのです。

そこで、スペーサを 3mm ほど短くして組み立てを進めていたのですが、全回路を組み終わったら、スイッチ基板がはまらなくなりました。

どうしたのかというと、ケミコンの頭が上の基板にあたってしまっているのです。

これはもうスペーサをもとの長さに戻すしかありません。基板の組み合わせの説明が細かくしてあるな、とは思ったのですが、analog さん、大変緻密にこれを考えたのですね。一つ狂うと全体が収まらなくなります。これをこの規模のセットで考えたのです。すごい構成力だなあ。

スペーサをもとの長さに戻すには、コネクタのピン長を長いものと取り換える必要があります。実はこういうことがあるかも、交換用のピンの長いピンヘッダを注文してあってもう手元にあって作業できます。が、両面基板でのピンヘッダ交換は大の苦手です。今まで何度も基板を壊しています。そこで、便利道具の出番です。ドレメルのガス半田ごて~

これは中にブタンガスを詰められるようになっていて、点火すると先端から熱風が出る仕組みになっています。ピンヘッダを交換するには、まずは一本一本ハンダ吸引器でハンダを抜くのですが、特に両面基板ではどうしても少しハンダが残るので、部品の足を強引に抜くとパタンを傷めてしまいます。足が一、二本なら半田ごてで温めながら抜けばよいのですが、このピンヘッダは20ピン、これを基本同時に温める必要があって、半田ごてではまず無理です。うまい人ならできるのかもしれませんが僕はできません。そういうわけで、ガス半田ごての熱風で複数ピンを一気に熱するのです。これが功を奏して無事に基板を壊すことなくピンヘッダを交換することができました。めったに使わないけれども非常に重宝している道具です。

ピンヘッダを交換したのでもともとの指定のスペーサ長に戻しました。今度はしっかり余裕があります。

さてもう一つの問題、これは製作のミスというよりは部品の入手の問題なのですが、個別出力用のジャックは下の図のように配線されています。

ステレオ 2 スイッチのジャックが指定されていて、tip 側のスイッチと ring 側のスイッチが直結されていて、プラグが刺さっていない状態では両スイッチが信号に繋がっていて、音はミキサに送られることになります。プラグが刺さると、スイッチが切れて信号はプラグの tip だけに送られる、ミキサはプラグの ring に繋がりますが、これがモノラルプラグだとミキサ入力は gnd に落ちることになります。面白い設計です。でも問題は、同じピン配置で 2 スイッチのジャックが一切手に入らなかったことです。代わりにステレオ 1 スイッチのものは手持ちであり代わりにそれを使ったのですが、上の図でいうと、2 番の接点が存在しないので、信号がミキサに行きません。これはこまった。基板を切って信号の流れを変えるしかないのかな?きたなくなるからやだなあ。と考えていたのですが、ふと、あれこれ、3番の接点とミキサ入力を直結するだけでよくない?と、頭がこんがらがるのでホワイトボードに書いてみます

あ、いけるいける。大丈夫です。なるべく見苦しくないように配線して、想定通りに動くことを確認しました。

これで基板の組み立てはだいたい完了です。あとは基板同士をきっちり組み合わせる作業が残っていますが、半田ごて作業はおわりです。

analog さんらしいいろんなところを考え抜いているとっても素敵な設計です。僕なら適当に済ませちゃいそうな細部もきちんとつめてあって、analog さんはやっぱりすごい人だったなあ。組み立て楽しかったなあ

製作はソフトウェア作業に移ってゆきます

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