早速記事を書くのであります。
設計をお手伝いした学研の SX-150ですが、おかげさまで、たくさんのユーザさんに使っていただけているようで、ありがたい限りです。
ところで、SX-150について、「Ext Source の使い方が良く分からない」というご指摘をよくいただきます。
Ext Source は、もともとはテルミンminiを接続するために設けた入力ですが、もちろん他の音源でもドライブすることも可能です。ただ、テルミンminiで動くことを最優先に低コストで作ったので、少しクセのある機構です。この記事では、Ext Source にどういうクセがあるのか解説したいと思います。
結論から先に書いてしまうと、この回路を使うときには、以下の点を意識するとうまく行くと思います。
- 入力信号は、最低でも2Vp-p、できれば4Vp-pぐらいの振幅が必要。
- 入力周波数が高くなるにつれ、SX-150の音も高くなる。
- SX-150 から音を出すには、ある程度の入力レベルと、周波数が必要。鳴らないときには、レベルや周波数を上げると鳴り出すことがある。
- 入力の周波数が上がるとピッチも上がるが、無限に上がるのではなく、あるところで上昇がストップする。
- 波形の影響も受けるので、実際の動作は複雑。実際に音を入れて調整したほうがうまく行く。
- 入力インピーダンスが低め(3.2kHz で 600-1000Ω程度まで下がる)なので、入力にバッファを入れたほうが良い。
なんとも制約の多い機能です。ドーモスミマセン。
SX-150 の ext source 部分の回路図は、以下のようになっています。J1に入力したオーディオ帯域の信号を変換して、IC1Dの14番ピンからCVを出力します。CVは、SX-150 のゲートおよびVCOに入ります。SX-150は、CVが上がるにつれ、以下の挙動をします。
- CVがゼロだとSX-150はならない
- CVがあるところまで上がると音が出始める(大体1.4Vぐらい)
- 音が出始めると、CVが上がるにつれ、VCOの発振周波数が高くなってゆく(出音が高くなる)
以下は、ext source の入力信号とCVの関係です。最初が正弦波を入れたときの挙動で、次が、矩形波を入れたときの挙動です。CVが1.4Vぐらいに上がったあたりからSX-150が鳴り始めます。グラフからは、ext source に、3-4Vぐらいの入力を入れて、あとは微調整をする感じが、うまく行きそうな感じがします。
難解すぎたり説明不足でなければ良いのですが。質問や突っ込みは、コメント欄へよろしくお願いいたします。
解説ありがとうございます。参考にします。
おおっ!新サイトでの初コメントありがとうございます!
ほんとに遅ればせになってしまいましたが、役に立ちそうな情報をできるだけ公開してゆきたいと思います。
今回、SX-150の方を購入させていただいたきました。
とても、興味深いものでシンセサイザーをいつか作りたいと思っていたので、とてもいい導入になりました。
そして、今回この製品の方を改造しAnalog2.0などにつなげていきたいと思っています。
そこでお聞きしたいのですが、カーボンパネルと電極で音を変化させているところを、ボリューム形式に変更したいともうのですが、どのようにやったら良いのでしょうか?
可能であれば教えていただけますか?
muramatsu さんはじめまして。コメントありがとうございます。
カーボンパネルと電極を、ボリュームに置き換える改造を記事にしてみました。
http://gaje.jp/sx150/cust_vr_sw.html
こんなイメージでしょうか?
わからないことがあったらまたどうぞ書き込んでください。