アナログシンセシステムの Analog2.0 は、時間が経過しても作れるようになるべく汎用の部品を使うようにしていますが、最初の設計をしてから20年の年月が見えてきてしまいました。いまだに何とか作れるはずなので設計の思惑通りに行っているとは思いますが、安泰というわけでもありません。色々心配事はありますが、割と重大なのは可変抵抗です。
可変抵抗自体はまだ入手はできそうですが、Analog2.0 リリース時に推奨していたパナソニックのものはかなり昔に製造が終了しているように、入手がだんだん厳しくなってきています。そしてより問題なのはそのカーブ、Analog2.0 では大多数の可変抵抗は B カーブですが一部 A カーブが使われています。ところが、世の中アナログ回路の出番は本当に減ってきており、アナログ回路のボリュームコントロールに使われていた A カーブもまた相当に入手が難しくなってきています。ということで、そろそろ全て B カーブを使ってシステムを構成する方策を立てた方がよさそうです。
B カーブを A カーブっぽく曲げる方法は以前からよく知られていて検索すれば情報はたくさん出てきますが、やり方を忘れがちでいちいち検索するのがめんどくさいのとまじめに実験したことがないのとで記録を残しておこうと思います。とりあえずこの記事ではやり方について。
やり方は単純で、こんな風に可変抵抗と並列にもう一本抵抗を入れます。

こうすると出力のカーブはどうなるか?これは、上の回路をこんな風に分解すれば計算できます。

ここで、 および および ( は可変抵抗の回転の度合い)とすると、可変抵抗の回転と出力電圧の関係は となります。ここで、 として、 の値を変えながら 曲線を引いてみると以下のとおり

何かαの値によっては A カーブに近い曲線が得られそうです。でもどの値を当ててみるのがいいのでしょう。試しに、上のグラフをログスケールに直して引いてみると

ん-まだよくわからないけど、何か 0.2 から 0.5 の間が良い感じそうです。あとは実際にボリュームを回してみて決めるのが良いかもしれません。
ところで、並列につなぐ R3 を上側に付けてみるとどうなるでしょうか?

それこそ今やちょっとやそっとでは手に入らない C カーブに近いものになります。Analog2.0 ではレゾナンスに B カーブを使っていますがレゾナンスがかかりだしてからの動きが急激すぎて調整が少し難しく、その部分にこれを使うのは良いかもしれません。
