analog さんのこと

前回の更新から、なんと、ほとんど一年たってしまいました。

1000字ほど言い訳をずらっと書いたのですがくそつまらなかったので全部消して、

製作者的に死んだも同然なこの状態を深く反省して、色んなことをつらつらと考えていたら、ふと analog さんのことを思い出したのでした。

analog さんは僕の古い友人で、いにしえの名電子楽器のクローンを忠実に作っている人でした。まだウェブサイトが残っています。こちら http://analogclone.com/ どのクローンも驚くほど質が高く、仲間内で「オリジナル以上では?」と話していました。

その analog さんが亡くなってしまったことをしばらく前に伺いました。伺った時点でしばらくたっていたので何もできることはなく、そしてそこからまたかなり経ってしまい、今日何の脈絡もなくいきなり彼のことを思い出したのでした。

彼の作品の中でも、一番すごいと思ったのが、Roland TR-909 のクローンで、言わずとしれた超有名機種ですからサンプリング音源は大量にそこらにありますが、録音していない生の音を初めて聞いてあまりの音の良さに仰天してしまったのでした。「僕も作ってみたいです」と話したら、とてもやさしくて親切な彼は、基板に分厚い説明書をつけて譲ってくれたのでした。

その少し後急遽米国に行くことが決まり、米国に渡ってから製作者的には死んだも同然になってしまい、そして analog さんの訃報、基板は、部品が乗っていないままです。

そういうことを思い出して、これはなんとひどいことをしてしまったのだろうと。今から作っても analog さんに見せることはかないません。でも絶対に作ったほうがいいと思います。

部品の入手からしててこずりそうですが、時間がかかっても根気よく作っていきたいです。東京で、analog さんとちょいちょい会って楽器のことをああでもないこうでもないとずっと話してたよなあ。彼と最後にあったのがこの基板を受け取った時でした。もうかなり遠い昔に感じます。実際10年以上前です。でも彼の表情、口調、かなりはっきり覚えています。楽しかったよなあ。完成品を見せなくてごめんなあ。

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