さて、今年もシンセサミットが終わりひと段落した今、自作していた「くろちゃん」も Analog2.0 も、一応音が鳴るようになったのですが、出来栄えになんとなく漠然と不満があります。それは一体なんであろう、とここ一週間考えていたのですが、それはやはり「これら楽器としてどうよ」ということなんだと思いあたりました。
ということで、思い悩んでばかりいても解決しないので、楽器屋さんに行って製品のシンセを触って来ました。不勉強なことに、私製品のシンセを触るなんてことほとんどやっていませんでした。
弾いてみたキーボードは、
– Evlover (Dave Simith Instruments)
http://www.davesmithinstruments.com/products/mek/
– Nord Wave (Clavia)
http://www.clavia.se/main.asp?tm=Products&clpm=Nord_Wave
– Little Phatty (Moog Music)
http://www.moogmusic.com/detail.php?main_product_id=254
– カーツウェイルのピアノ
– ハモンドのオルガン
Little Phatty は正直そんなに魅力的に感じませんでした。
カーツウェイルもハモンドもすばらしかったのですが、シンセではないのでここでは割愛します。そして、Evolver、驚きましたです。Nord Wave もなかなかでした。
この2機種について忘れないうちに感想を書いておきます。
Evolver
【見た目】
まず、一目見ると、このシンセからなにやらオーラが出ています。「できる」臭がぷんぷんにおっています。なんでこんなにセンスよく作れるのかしら。うなってしまうばかりです。
【音】
ほんの少し触っただけですが、すごい存在感でした。押し出しが強く、いかにも主役がはれそうな感じです。
フィルタの音は自然で分厚いです。特にエンベロープのかかりの素直さはすばらしい。うなるばかりでした。オシレータは、アナログx2 とディジタルx2。アナログの方だけ出力して聞きましたが、普通のアナログと比べると安定していて、では DCO みたいにカチカチかというとそうでもなく、非常に心地よいところにバランスされている印象でした。オシレータは analog さんの MiniMoog クローンに少し雰囲気が似ていました(フィルタはまた別な感じですが)
【弾きごこち】
鍵盤はそんなに高級な感じはしませんでしたがそれでも私のフニャフニャ鍵盤と比べたらずっと優秀です。ベロシティーやアフタータッチもきいていました。ベンダーもモジュレーションホイールもしっかりしています。
【操作性】
4オシレータ2VCFということもあってパラメータは普通のアナログシンセより多く、チャネル切り替えがを使ってツマミを少なく抑えています。ツマミはボリュームでなくロータリーエンコーダで、あるツマミを触るとそのパラメータの値がディスプレイに現れる、という形を取っています。私はアナログ慣れしているので少し面食らいましたが、慣れれば問題なく使えるのではないかと思いました。(というかかなり使いやすそう)
Nord Wave
Clavia のシンセは、じゃりじゃりの音があまり好きではなく、正直なんで人気があるのか理解できなかったのですが、触ってみて何となくわかった気になりました。
– 見た目がすごくかっこ良い
– 鍵盤のタッチがかなり素直に音に反映される
これに尽きるのではないかと思います。音はやっぱり好きにはなれず、鍵盤もへたへたで品質が良いとも思えないのですが、なんか指の動きがそのまま音に伝わるようでなんか素直なんです。これは演奏者に好かれそうだな、と思いました。何となく DX-7 的というかなんというか。
ということで、私の作っているシンセ、製品のものと比べると、楽器としての実力はまるで大人と子供だなーと思いました。これはやっぱり改良するべきだなー、どこから手をつけよう?まずは一番違いが気になる鍵盤から行きましょうかー。と思いました。
いやー、勉強になりました。
鍵盤のないほうのEvolverに惹かれています。Analog2.0を組み立てる際には16ステップシーケンサを一緒に入れちゃおうと考えております。
鍵盤のないほうのEvolverに惹かれています。Analog2.0を組み立てる際には16ステップシーケンサを一緒に入れちゃおうと考えております。
おおっそれは。リリースを急がないといけません。
Evolver に触ってから、ディジタル化できるところをディジタル化するのにかなり興味が湧いてきました。まずは MIDI-CV から着手したいです。
MIDI-CVは後付けのオプション程度に考えて切り分けておくのはいかがでしょう?
genieさんこんにちは。
MIDI-CV は着手してもリリースできるまでにはかなり時間がかかると思うので、選択の余地なく当面はオプションですねー。
MIDI にはウソのように弱くて、どんなパラメータが受け渡しできるのかどうかも知りません。そもそも仕様書読んだことがないです。
ディジタル化は、実は MIDI-CV のところよりむしろ全体を統括する関係で必要性を考えているので、考え方が固まってきたら少しずつまた NetSynth にお邪魔して行くかもしれません。