某 SNS で議論になっている電源の設計の基礎データをとるため、2種類のACアダプタの挙動を調べたので記録をメモです。どちらもいわゆる秋月ACアダプタです。
【9V 1.3A L.T.E. GFP101U-0913】
無負荷 : 9.17V 100mV p-p のノイズ、60Hz, 111kHz, 2MHz の複合
負荷0.3A : 9.04V 20mV p-p のノイズ
負荷0.6A : 8.86V 100mV p-p のノイズ
【15V 1.6A JET NT24-1S1516】
無負荷 : 15.15V 600kHz のノイズ 15mV p-p
負荷0.3A : 15.01V 600kHz のノイズ 20mV p-p
負荷0.6A : 14.84V 600kHz のノイズ 40mV p-p
【考察・コメント】
負荷による出力電圧の変動は意外と大きいようです。
スイッチングノイズの出方のパタンは種類によって異なります。
スイッチングノイズはどちらのアダプタもかなり大きく、アナログ回路に使うにはノイズ対策が必要そうです。
参考までに、Rがわりのダイオードと 220uF + 0.1uF の C でCRフィルタを組み効果を確かめましたが、一定の効果は得られるものの、完全なノイズ除去はできませんでした。
L を入れるとどうなるかも確かめてみたい気もします(しかし、大容量を流せるL持っていません)
三端子レギュレータを使うのも効果ありました。こちらはオシロスコープではノイズがほとんど読み取れないところまで除去されます。CRフィルタと三端子レギュレータの組み合わせが、ACアダプタを使ったアナログ用電源の現実的な設計かもしれません。
それにしても、これだけ流してもアダプタは全く熱くならないのがたいしたものだと思いました。スイッチング電源は高効率ですね。
秋月ACアダプタはロットばらつきが大きいという感想です。大量に使用している人も同じようなことを言っていました。
その点で三端子レギュレータでリプルフィルタをやらせるのは良いんでしょうね。
JET のアダプタのほうが安定していそうですが、こちらは図体がでかいのですよね。LTEのアダプタは小さいのででおとなしい直流電源が得られるならそれが良さそうなのですが、こちらはひどく暴れます。無負荷の時が意外と悪いです。
ちなみにLTE電源、普段使う小型スピーカに使うと、かなり大きく「びーん」とノイズが入ります。
JETの12V 1A品を自作枕元オーディオアンプ(バイポーラSEPP)の電源にしています。キーンと言っています。
http://img.akizukidenshi.com/images/org/np12-1s1210.jpg
ラジオでモニタしていると、DCラインの電線の取り回しで変化するので、これがアンテナになっているように思います。この線を切り詰めるというやり方もあります、が、電子工作入門者には必ずしもお勧めできないですね。
なんと、それは試練です。トランス使って楽になりたい気持ちがひしひしとわいてきてしまいました。