サミットに出すために、ここ2週間大急ぎでシンセパネルを箱詰めしていました。おかげでブログに記事を書いている時間がほとんどなかったのですが、やっと一息ついたので、忘れないうちに記録しておきます(製作を記録にのこしていないのでほとんど自分のためだったりして)
作業項目はざっとこんなところでした。
1. キーボード接点バーのステンレス化
2. キーボード接点の修復
3. パネルの筐体へのマウント作業
4. 右手パネル作成
5. 本番電源への切り替え
6. キーボードコントローラおよび VCO の再調整
7. 筐体穴あけ
8. 天板作成
以下詳細です…
1. キーボード接点バーのステンレス化
11/7の記事でも書いたように、キーボードの接点があまりに調子悪いため、もとあった真鍮バーをそのまま使うことを断念。ここは経年変化で劣化するところとわかったため、さびにくいステンレスのバーに交換しました。
はじめて鍵盤の仕組みがわかりやすい写真がとれました。
ステンレスはまともではハンダ付けできないため、ホームセンターからステンレス用のフラックスを買ってきましたが、どうやら腐食性が高そうな雰囲気。そのまま銅線をハンダ付けすると後で腐り落ちそうなので、重ね合わせ接続子という、銅管をスズメッキしたものをかぶせてまずはそれをはんだ付けしました。
接続子をハンダ付けした後フラックスを洗浄、多少安心感があります。
2. キーボード接点の修復
キーボードは、それでも直りきらず、接点の調子悪いキーが散在しました。接点の金属片側は金メッキがしてあるので、まあさびではなく汚れでしょう、と思い、綿棒に定番のサンハヤト接点洗浄剤をつけてひたすら掃除。これは効果あり、鍵盤はほとんど問題おこさなくなりました。
3. パネルの筐体へのマウント作業
L字金具を筐体につけて固定。これは地道に位置決め・穴あけ・ネジ止めの繰り返し。文章にかくと少ないですがめんどくさい作業でした。
4. 右手パネル作成
発掘された右手パネルは、剥き出しの2mmアルミ板でした。このままではみっともないので、黒で塗装しました。ついでにロゴも入れてみました。電源インジケータ用の穴をあけて、クリアラッカーで仕上げして出来上がり。塗装は手間はかかりませんが、乾燥のための時間がかかります。塗装開始から完了まで3週間ぐらいかかりました。
5. 本番電源への切り替え
本番用電源を製作して、筐体にマウント、今まで使っていた実験用電源から切り替えました。回路は例によって 7812, 7906 のデータシート推奨回路ほとんどそのままです。
音が格段に良くなりました。前のトランスは 12V 電源に 12V 出力を使っていたからいけなかったかな(良い子はまねをしないように。定電圧レギュレータの意味がほとんどなくなってしまいます)
6. キーボードコントローラおよび VCO の再調整
電源が変わったので、キーボードコントローラの出力 CV と VCO のピッチを再調整です。オシロスコープを使って、1kHz キャリブレーション信号と見比べながら大まかに調整を行い、最後は、メトロノームからの 440Hz トーンを聞きながら耳であわせました。
写真は、VCO チューニングをしているところの図。パネル裏が大写しになっているので、どこにどんな基板がのっているか書き込んでみました。もうほんとに違法増改築の家みたいです。
7. 筐体穴あけ
筐体はいくつかのセクションに分かれているので、セクション間をつなぐために穴あけをしました。一番面倒くさかったのは、裏側の電源コネクタ用四角穴。でもおかげでコードぶらぶらさせなくても良いので持ち運びが楽です。
8. 天板作成
筐体天板にでかい四角穴があいています。これはパッチング用パネルをつけることを当初考えていたと記憶しているのですが、めんどくさいのでまずはボツ。穴をふさぐアルミ板を切る時間がなかったので、スモーク半透明アクリル板でごまかしました。意外といい感じです。
という作業を経てやっとシンセが一つの筐体に収まりました。
写真では初登場、某 mixi でよくネタにしているうちの5歳児が弾くの図。
未就学児のくせにクラフトワーク命のこやつ、アウトバーンを弾こうと四苦八苦中のところです。
ここまでの作業をたった2週間で、、尊敬です。
可愛い子には旅をさせよ。差し当たりドイツ留学なんてどうですか?(早すぎるって)
hoshu さん:
ちりも積もればで、個々の作業はたいしたことないですが、まとまると結構な作業量でした。シンセサミット終わってこれで寝られるー?と思いきや、刺激でかえってあれこれやりたくなってしまい、あんまり睡眠時間かわらなさそうです。徹夜に近いのはもうやりませんが。
genie さん:
「テクノの星を目指すんだ!アナログシーケンサー養成ギプスをしろ!」などという妙な情景が眼に浮かんで笑ってしまいました。