Mutable Instruments Rings

Mutable Instruments の Rings、某所で音を聴いて、ああ、こういう合成やりたかったんだよなあ、子供のころから。と、すっかりとりこになってしまいました。が、Mutable Instruments はもうビジネスを閉じており、まだまだ買えるには買えるのですが、まあかなり高いです。Mutable Instruments は回路図がすべて公開されておりライセンス的にも複製可ということで、クローン基板やキットが今でも出回っています。これを買えば、作れるよなあ?と思いつつ、散々迷った末何を血迷ったか自分で基板を起こすことにしました。ここに保存されている回路図を見ながら現在作業中です。おかげで MIDI/CV 製作中なのに完全に手が止まってしまっています。

人の設計をまるまるコピーなんてめったにやらないのですが、やってみると大変勉強になります。回路はシンプルですけれども、よく考えてあるなと思います。入力の電圧範囲が大きすぎる時のデバイスを壊さない配慮など、少ない部品点数で巧妙に保護されていたりとか。コピーを始めて Mutable ますます好きになりました。まだ基板レイアウトを引き始めていませんが、「完全コピー」と思われる基板の写真は結構簡単に見つかるのでそれを見ながらあれこれ作戦を練っています。基本的にオリジナルの基板デザインに沿って行きたいと思いますが、実機が手元にないのでパタンを完全に同じにするのは無理です。そのために実機を買う予定はなし。(追記 4/11: と、思ったら Github レポジトリに Eagle ファイルがありました。見落としていました。なんということでしょう)

具体的に部品を決めないと基板を起こせないので部品選定をしながら回路図をコピーしていくわけですが、色々と問題があることに気づきました。例えば、

  • アナログとやり取りするコーデックに WM8731 というデバイスを使っているがこれはもうディスコン
  • 抵抗・コンデンサはほぼ 1608 (0603) の SMD が使われているが、手持ちの部品は 2012 (0805) でちょっと大きい

あと、基板写真を眺めてみると、電解コンデンサの 10μF が妙に小さくない?と気づきました。Rings の基板の設計はけっこうかつかつで、大きすぎる部品を置くとオリジナルのサイズに収まりきらない可能性があります。調べてみたら直径 3mm の電解コンデンサを使っているらしく、今はどのメーカーも作っておらず入手はかなり困難です。ということがちょいちょいあり、完コピ基板はたくさん出回っているものの、自分で部品を手配して組み立てるのはすでに結構厳しそうです(今すぐやれば間に合うと思います)。というわけで、大変だけど自分で基板を起こすのはそんなに無謀でもないなと考え始めています。WM8731 はまだ出回っていて手配することができましたが、それもきっといつか無理になる。そうなったら回路をオリジナルから変更しないといけません。ファームウェアの変更も多分必要。そうすると手元に自分の設計があるといいなあと。後々作ることがある場合はですけれども。

基板の設計が終わったらまた MIDI/CV に戻るので何か見られるものができてくるのはだいぶん先になりそうです。

つづく

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