
調達漏れの DC to DC コンバータが届いたので中断していた VCA 試作版組み立てを再開、通電テストまで行きました。

配線はなかなか一筋縄では行かず、結構な時間がかかりました。もともと設計上大変な点として、1.27mm ピッチ 10 ピンのコネクタで二階建ての基板同士をつなぐ必要がありますが、基板間の距離が離れているのでコネクタとピンヘッダだけでは繋げられず延長が必要、これをフラットケーブルでやりました。2.54mm ピッチ二列コネクタ用のフラットケーブルは 1.27mm ピッチなので手持ちの 10ピン用のフラットケーブルを使えます。

基板間の距離は約 17mm、フラットケーブルは 15mm に切って根気よく一本ずつ被覆を剝き、一端にはピンヘッダをつなぎ、もう一端は基板にはんだ付けします。写真を見ると結構雑な仕上がりですがこれでも数回練習した後の作業です。手先が不器用でとにかくこういう細かい作業が苦手です。

こういう小さい部品をはんだ付けする時に部品を固定する専用の道具を持っていないので、万力やラジオペンチを使っています。今回はラジオペンチ
さらに失敗が多数。

電源コネクタの配置が悪くて基板からはみ出てしまいます。はみ出た部分をヤスリで削って強引に問題回避。先に進みます。

マイクロコントローラに繋ぐ SWD 端子の配置も悪くて基板に載りませんでした。さらにピン配列を間違えていました。仕方なくコネクタを空中配線して強引に問題回避。先に進みます。

CAN コントローラのスタンバイ端子を GND に落とし忘れ。またやっちまいました。UEW 線を使って GND に落として強引に問題回避。先に進みます。
ここで電源投入して簡単に電圧チェックします。MCP34063 で 3.3V に降圧する電源はモジュールでは初使用、きちんと想定通りの電圧が来ているのを確認して一安心。ですが、オペアンプ TL074 がとんでもなく熱くなっています。まさか電源逆接?なんで?と思って回路図を確認してみたら

やらかしちまいました。設計段階から逆接。全然気づかなかった。4番ピンは -V という間違った固定観念ができてました。ERC はこういうの検知しないんですね。ここで基板作り直しが脳裏に浮かびますがお金も時間もかかるしここから先も改善点が見つかる可能性も高いし今基板を発注するのは避けたいです。

ここはなんとか修正して先に進みたいところ。焼いちゃった TL074 はどうしようもありません。もうあきらめて交換します。新しい TL074 は 4番 と 11番のピンを浮かせます。足を何度も曲げるとパキッと折れるので一回で思い切りよく一気にやります。

電源ピンの浮いたオペアンプを基板に取り付けます。浮いたピンが間違った方の電源に繋がっていないのを確認して、UEW 線で本来の電源に繋げます。変なショートをしていないことを確認して、まあ試作はこれで進められるでしょう。
再度通電確認。各 IC に想定通りの電源が来ていることを確認して、TL074 が焼けていないのも確認して、SWD 端子にプログラマをつないでマイクロコントローラが認識されることも確認しました。とりあえずこれでファームウェア開発の準備ができました。

2ボイスにマイクロコントローラ付き。この機能をこの大きさで作れればまあうれしいのですが、実装は見ての通り無理のしまくりです。基板間接続はもう少し何とかしたいところです。VCA ユニットのソケットはユニットの信頼性が高まったらいらないと思うのでいずれはもう少し薄く作れれば良いなと思います。
追記:今後のために。CAN トランシーバまわりにテスト端子はつけた方が良いです。開発中 CAN まわりにロジアナをつけたい場面は多数

追記2: 2025年7月25日
さらに基板に間違いが見つかりました。ここの CV を処理する回路、印をつけた R17 と R19 のつなぎ先が間違えています。

これは CV 出力をマイクロコントローラに戻して現在の CV 値を読み取る仕組みですが、CV の反転出力に繋がっているせいで CV 値がマイナスの時にしか読み取れないようになっています。なんでしょう回路引いたときに寝ぼけてたのかな?下図のように繋ぐのがもともとの設計の意図です。

何とか回路を修正して先に進みたいところ。幸い間違えた繋ぎ先は R17 と R19 を外せば切り離すことができます。ということで、これらの抵抗を立ち上げて本来のつなぎ先に UEW 線で接続し直しました。今のところプリント配線の銅箔を切らずに修正できているのが不幸中の幸いです。ソルダレジストは非常に丈夫なので銅箔を加工するのはかなり大変です。

抵抗を外すのにはホットエアガンを使ったので、近くのフラットケーブルの被覆が溶けてしまわないようにポリイミドテープで保護しました。表面実装で製作する時にはポリイミドテープが大活躍しています。主に修正の時に必要なので活躍しない方がほんとはいいんですけどね。
