今、少し小さい基板を設計中ですが、製作はサンハヤトのない米国にいる限りファブに発注の一択です。小さいしたくさん作りたいので面付けしてかかる費用を節約したいところですが、基板の面付け、やるのかあ。基板を一枚一枚コピーして、マウスバイトで繋いで…いやーめんどくさーい。一日で終わるかしら。AI にやらせるのは嫌というかそんなに信用できないからダメ、ということで、何か効率的な方法はないか?と探してみたら、ありました。KiKit
https://github.com/yaqwsx/KiKit
KiCAD の基板を面付けしてくれるコマンドラインから実行するプログラムです(追記:KiCAD プラグインとしても使えるようですが再実行が楽なためいまだにコマンドラインでやってます)。 python で書かれています。ドキュメントも非常にしっかりしていて、特に苦も無く使えます。インストレーションガイドに従って
https://yaqwsx.github.io/KiKit/latest/installation/intro
あとはドキュメントに従って実行すれば OK。
https://yaqwsx.github.io/KiKit/latest/panelization/intro
手っ取り早く始めるには使用例を見るのが一番
https://yaqwsx.github.io/KiKit/latest/panelization/examples
ですが、僕が使っている windows では何か所か注意ポイントがありました。
- インストールに使うプラットフォームはあくまで Windows。多分 WSL からは使えません
- コマンドプロンプトは通常のものではなく KiCAD Command Prompt を使う。これはインストレーションガイドに書いてあります
- インストールが終わったらコマンドプロンプトを起動し直さないと KiKit は使えない
- コマンドラインは昔ながらの MS DOS 形式。スペース入りの引数を囲むための ‘ (シングルクオート) は認識されない。” (ダブルクオート) を使う。MS DOS の知識の話ですけどね
KiCAD Command Prompt の呼び出し方をすぐ忘れてしまうのでここにメモ。これは KiCAD とは別の独立したアプリなので Windows スタートメニューから “kicad” で呼び出します (僕のバージョンでは完全な名前は “KiCAD 9.0 Command Prompt”)。
ドキュメントを見つつ、こんなパラメータで面付けを試みてみました
kikit panelize --layout "grid; rows: 2; cols: 2; space: 2mm" ^
--tabs "fixed; width: 5mm" ^
--cuts "mousebites; drill: 0.5mm; spacing: 1mm; offset: -0.25mm; prolong: -0.5mm" ^
--post "millradius: 1mm" ^
board.kicad_pcb ^
board-panelized.kicad_pcb
PlaintextMacOS, Linux の場合こうかな?
kikit panelize --layout "grid; rows: 2; cols: 2; space: 2mm" \
--tabs "fixed; width: 5mm" \
--cuts "mousebites; drill: 0.5mm; spacing: 1mm; offset: -0.25mm; prolong: -0.5mm" \
--post "millradius: 1mm" \
board.kicad_pcb \
board-panelized.kicad_pcb
Bash
一日かかるかも、と思ってた面付けが数秒で終わりました。数の増減やサイズの微調整など自在です。これはありがたすぎます。
作者は Jan Mrázek さんという人。大人気ツールでスポンサーもついてサポートにも大忙しそうです。他にもソフトウェアを出していて、いやあすごいなあ感心するし感謝しかない。