
Rings の基板には 0.5mm ピッチの IC をいくつか載せないといけません。部品の予備もないので失敗したくなく、Rings をやる前に、狭いピッチの IC のはんだ付けを練習することにしました。僕の技量はというと、1.25mm の SOIC なら普通にはんだごてでちまちまつけて行けるんですが、TQFP の 0.8mm ピッチだとちょっときつい、ピン数が増えると 0.5mm ですがこれをつけるのは難行苦行、10倍ぐらいの時間がかかってしまいます。なので、あちこちを調べてみて見つけたもう少し簡単そうな方法をいくつか組み合わせて自分でもやれそうなやり方を試してみることにしました。
まずは道具から。

普通の半田ごて、ドレメルのガス式熱風半田ごて、T4 スズ/鉛 半田ペースト、液体フラックス、プラスチックのカード、つまようじ、歯ブラシ、イソプロピルアルコール、あとキムワイプを使いました。けっこう大掛かりになってしまいます。
練習台として、長いこと死蔵していた TQFP32 の AVR チップをブレイクアウトボードに半田付けします。0.8mm ピッチとまだ簡単な部類ですけど初挑戦なのでここから始めて少しずつ難しくして行くということで。

はんだ付けの手順は次の通りにやりました。これが最良というわけではないと思いますが、あちこちのウェブサイトや YouTube ビデオで見たやり方を混ぜ合わせて、これならやれそうかな、と思った方法です。

柔らかくしたペーストを基板に付けます。この時ペーストは少な目な方が良いようです。この写真の量ですと少し多すぎました。ペーストを付けたら部品をその上に載せます。ペーストがパッドに完全にかぶってしまって見えないので位置合わせが少し難しかったです。その意味でもペーストはもう少し少ない方が良いかもしれません。ペーストがパッドをまたいでかぶってしまうのははんだ付けの過程で解消するので問題ありません。

ドレメルのガス式半田ごてに点火して、上から熱風を吹き付け半田付けします。写真だとこてが斜めになっていますが、実際には真上から垂直に吹き付けます。はんだの融点は 125℃ ぐらいと低く、無理に熱さなくてもはんだはとけてくれます。ドレメルは普段部品外しによく使いますがそれより少ない熱し方で大丈夫でした。
フラックスを塗ってからピンを一列半田ごてでなでるとブリッジなどはきれいに修正されます。ただ、半田ペーストを多くつけすぎると動画のようにブリッジが残ってしまいます。これはあんまりうまくない例
フラックスで基板がべたべたになっているので洗い流します。いつも使っているイソプロピルアルコールをつけた歯ブラシでこすってキムワイプで拭き取ります。
最後に導通チェッカーを使ってピンに導通が来ているかとブリッジがないかを確認して作業完了。導通チェッカーのプローブはマチ針です。狭いところにあてやすいし持ちやすいしおすすめです。
はんだ付けのうまい人の動画を見ていると、半田ごてをひとなででさっとつけたりしていて、こんな回りくどい方法をとらず少ない道具で一瞬で済ませられるようですが、僕はどうも手先が不器用で練習してもなかなかそうはできません。でもこの方法だと 0.8mm とまだ易しい部類だにしてもそれほど苦もなくつけられたので、あんまり自信のない場合はこういうやり方から始めるのも良いかもしれません。
もっと簡単で早い方法が見つかったらまた紹介したいと思います。