ここしばらく更新があいてしまいました。相変わらず他事のため製作に手がつかなかったり、記事にもならない鍵盤磨きをしこしこやっていたり、思いついた電圧制御抵抗をブレッドボードにのせてみて思うように動かずへこんでいたりしていました。電圧制御抵抗は VCF に使おうと思っていたのですが、ひとまずあきらめ、伝統的な回路を使うことにしました。先人の偉大さを思い知りました。
さて、先日も記事にしたように、電源の品質がどうも怪しくハムハムなシンセになりつつあるので、電源を作り直すことにしたのですが、ただ作り直すだけだと、改善したかどうか頼りない耳に頼ることになるので可視化・定量化する方法を考えました。
なんて書くとたいそうですが、単純に電源に乗っている交流分を増幅してオシロスコープで見ただけです。増幅器の電源は、電池 12V を使い、増幅器にはストックしてあった LMC662CN を使い10倍の増幅器を組みました。
で、以下が捕まえたリップルです。
5mV/div レンジでプローブは x1 モードにしてあります。ということで、電源には PtoP 1.5mV 強ぐらのノーマルモードノイズ(リップル)が乗っていました。
写真をとり忘れましたが、電源を切ると出力はきれいに0になりましたから、増幅器そのものがハムを拾っているということはありません。
負荷をかけたらどうかな?と思い、約25mAの負荷をかけたのが以下。レンジは 10mV/div に
しました。
今度は 2mV ちょっと、といったところです。テスターではつかまらないわけです。
ちなみに、7812 のデータシートを見ると ripple reduction が typ. 60dB となっていましたから、2mV というのはちょっと異常にでかいような気がします。2mV の 60dB は 2000V, ん?計算間違ったかな?これは 7812 が壊れているか配線か回路がまずくてノイズを拾っているかだと思います。
ということで、電源に乗ってしまうリップルの評価方法は確保したので、ここから少しずつ作業を進めて行きます。
TA78xx のデータシートに Ripple Rejection の測定方法と定義が書いてありました。rr = 20 * log(ei/io) 60 dB は 2mV に対して 2V ですね。まだ大きすぎますが。