Analog2.0 > 製作上のご質問

VCF が発振しません

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Gan:
8.1V は少し高いような気がします。念のため、Q5, Q6, Q9, Q10 まわりで半田付け不良で接触が悪くなっているピンがないかチェックしてみてください。でも左側トランジスタの接触が悪いとすると、Q5, Q9 コレクタ電圧は 12V にはりつくと思うので、部品の取り付けには問題がないような気がします。

部品取り付けに問題がないとすると、Q5, Q9 と Q6, Q10 で対になっている作動増幅器が、トランジスタの特性のばらつきのためにバランスが悪くなっているかもしれません。

出力の作動増幅回路のバランスが完全にとれていれば、R14 に流れる約16mA 弱の電流が左右に分割され、Q5 コレクタの電圧は 3V 前後になるはずです。実際にはトランジスタのばらつきがあるのでそんなにきれいに分割はされないと思いますが、8V はちょっと偏りすぎてるかもしれません。

もし Analog2.0 の書籍をお持ちでしたら、付録Cにトランジスタのマッチング方法が書かれています。もしよければこれでトランジスタの特性がばらついていないか見てみるのはいかがでしょうか?もし書籍をお持ちでなければ、以下の pdf の22ページ目をみてください。
https://gaje.jp/analog20/resources/09_vcf/vcf_doc.pdf

junya1931:
マッチング測定回路の 上側のトランジスタをさしかえ、いくつかのトランジスタのベース・エミッタ間電圧を測り、それらの誤差が
±2mV以内に収まっているものがマッチングのとれたトランジスタであるという理解で大丈夫でしょうか?


ところで通常ベース・エミッタ間にはどのていどの電圧がかかっているのでしょうか?
先ほど回路を組み測定したところ0.6Vと非常に小さな数値となったのですが、これは回路を組み間違えているのでしょうか?

Gan:

--- 引用 ---マッチング測定回路の 上側のトランジスタをさしかえ、いくつかのトランジスタのベース・エミッタ間電圧を測り、それらの誤差が
±2mV以内に収まっているものがマッチングのとれたトランジスタであるという理解で大丈夫でしょうか?
--- End quote ---
はい、まずはそれを試してみてください。
Q5-Q6 および Q9-Q10 が対になっています。この二対のバランスをとってみて、それでも Q5、Q9 コレクタの電圧が3-4V から著しく外れているか確認してみてください。

なお、この測定は、温度の影響を強く受けるので、以下の点に注意してください

* 半田ごてで部品をはずしたら完全に常温に戻るのを待ってから測定してください。
* 測定中はトランジスタを指で触らないでください。動かすときには、電源をとめてからピンセットでつまむようにしてください。
* 測定回路において、トランジスタに流す電流を調整するときに誤って大きな電流を流さないように気をつけてください。
* 測定はなるべく短時間で済ませたほうが無難です。

--- 引用 ---ところで通常ベース・エミッタ間にはどのていどの電圧がかかっているのでしょうか?
先ほど回路を組み測定したところ0.6Vと非常に小さな数値となったのですが、これは回路を組み間違えているのでしょうか?
--- End quote ---

Q5, Q6 のベース・エミッタ間電圧が 0.6V 程度になるのは設計の意図通りです。Q9, Q10 のエミッタ電位がそこからさらに 0.6V 程度落ちるのも意図通りです。

トランジスタ Q5 と Q6 は、どちらもエミッタフォロワ回路を作っています。(以下のページが参考になります)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%82%BF%E6%8E%A5%E5%9C%B0%E5%9B%9E%E8%B7%AF
http://blog.katty.in/318
概念的にはエミッタフォロワ回路のベース・エミッタ間の電圧は 0V なのですが、現実のトランジスタでは、0.6V 程度電位差がないとベース・エミッタ間に電流が流れ始めないので、0.6V ぐらいの電位差がつきます。

Q5 と Q6 の(無信号時の)ベースの電位は、R11 と R9 によって 0V に決められています。この 0V は設計上まず狂わないです。
そのため、Q5 と Q6 のエミッタの電位はどちらもだいたい 0.6V ぐらいになりますが、ここの厳密な電位については、一致するような制御が入っているわけではありません。むしろ、トランジスタの特性によって、いわば「運」で決まっています。

トランジスタ Q9 と Q10 は差動増幅器を構成していて、Q9 と Q10 のベースの電位差 (= Q5-Q6 エミッタ間の電位差) はこの増幅器によって増幅されてしまいます。
Q9 コレクタの箇所は差動増幅器の出力なので、Q9、Q10 ベースの電位差の影響を受けます。つまり、Q5 と Q6 の特性がそろっていない場合 Q9 コレクタの部分の電位が影響を受けます。

そういうわけで、VCF 出力のバランスが崩れている場合、Q5 と Q6 のマッチングをとって、両者のエミッタ電位をそろえると改善する可能性があると考えています。

また、Q9 と Q10 の特性がずれていても出力のバランスが崩れる原因になります。

特性をそろえれば改善するか確証はないのですが、少なくともこの点は疑わなくてよくなります。

ちなみに、VCF 回路は Minimoog のものが元ねたで、この出力部分の回路も非常に近いのですが、実は Minimoog のサービスマニュアルには、これらのトランジスタはマッチングをとるようにと書かれています。ところが実際にいまどきのトランジスタの特性を測ってみると、ほとんどのトランジスタが問題ない程度に特性が揃っています。そのため書籍にはマッチングを必ずとるように、とは書きませんでした。でもまれに特性が大きくずれているトランジスタもあるので、製作時にはマッチングを取ったほうが安心ではあります。
Minimoog が作られていた 1970年代と比べると、現在では、トランジスタの精度が格段に改善しているのではないかと想像しています。Minimoog は一台一台全部音が違うとよく言われますが、トランジスタのばらつきの影響を受けやすいこういう設計が関係しているのかもしれませんね。

junya1931:
取り外した4本のトランジスタを計測しました。
結果

0.606V
0.609V
0.609V
0.606V

となり大幅に特性にばらつきがあるというわけではなさそうです。

0.609Vと0.606Vのペアをより特性のそろったものに交換しましたが、結果はかわらずでした。

なお、出力にバッファをいれたことで、発振は安定してするようになっています。
実際の不具合は以下のものです

レゾナンスのツマミを3時に回すまではなにも反応がおきない。3時より右にまわすと急激にレゾナンスがかかりはじめ、
発振するという状態です。







fukuryu:
同じところで上手くいきません レゾナンスが発信しません
他のツマミは反応があります
vcfの各部の電位の画像ファイルがリンク切れになっているので、
まだおもちでしたら再アップしていただけないでしょうか?
よろしくお願いします

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