パネルのデザインが、楽器全体のコンセプトを表すってあるよね。
たとえば、ArpのOddysey
http://synth.fool.jp/os_vsm_1/cn74/cn38/cn40/pg180.htmlミキサーは、VCFの一部で、波形の選択もMIXER機能の一部という設定。
モジュレーション系を、フリーケンシーモジュレーションと、パルスワイズモジュレーションの大きく2つに分けてこれがパネルの80%を占めている。一応音程の設定もできるけどねーぐらいの感じ。音程や波形をモジュレーションしてナンボのモンなモジュールの位置づけ
一方、MoogのMinimoog
http://synth.fool.jp/os_vsm_4/cn78/cn69/cn72/pg597.htmlこちらは、MIXERは独立して考えられていて、オシレーターの役目は、波形と音程の設定に限定されてる。モジュレーションに関しては、Controllerという別のモジュールで、モジュレーション波形を(LFOかNoiseで)作り、手元のPitchとModのホイールでコントロールするというセンス。Controllerに、トータルの音程を決めるつまみと、Glideのつまみがまとめられてるところがいい。
まだ、完成してない、僕の手作りシンセ、AKA pARMのパネル
http://beatnic.jp/parm/img/aka-parm2.jpgでは、ミキサーはVCOの一部で、波形選択は、MIXERの機能の一部という解釈。
AKA pARMは、Minimoogのコンセプトをいただいていて、「Controller」ではなく、演奏の最中にチマチマいじりたい部分を集めた「Performance」というモジュールとしてまとめた。一番パラメーターの数が多い(かな?)のもここ。pARMの基本コンセプト、ライブでの演奏用に特化したシンセであるアピールポイント。
さて、先日挑戦させていただいた、RJBさんのESM2は、上記pARMのバリエーションの一つとして設計したのだけど、今しかかり中のAnalog2.0のパネルはどしよっかなと。
コッチは、モジュラシンセなのだから、演奏中にパチパチ切り替えるような使い方はしない。スイッチは不要!という発想もあるけど、実際の使用に関しては、プリパッチ(あらかじめ内部でパッチされてる状態)されてればとても使いやすい。実はここが味噌になりそうだなと。
実は、VCOって、発振器なんだけど、
基本機能系
基本オクターブの指定
微妙な音程の指定
波形の指定
(シンク)
モジュレーション系
パルスワイズモジュレーション(実は波形変換とも微妙に関連)
フリーケンシモジュレーション(ビブラートとか)
と、多くの機能が含まれている。
ArpのOddyseyとMoogのMinimoogのパネルをチェックしたのにも意味があって、このてんこ盛りの機能のうち、どれをハイライトするかという所に、パネル設計の恣意があるということ。一方、モジュラシンセ的には、この恣意を可能な限り無くしたほうが使いやすい。
モジュラシンセのパネルでは、ノンポリという名のポリシーをアピールすべきかもしれない。これは、Analog2.0を2VCO化するのなら、1VCOが前提のAnalog2.0のVCOモジュールの機能を再定義するともいえる。(そう、やっぱ、メーカーの恣意はひっそりと存在すべきだと思ってることはこっそり白状しておこっと)
この際、モジュラシンセにライブ演奏での使い勝手を求めるセンスが間違いなのは一旦、捨て置く。ライブでの演奏でも使える、フルモジュラシンセがねらい目とすれば、モジュラっぽくないプリパッチが自然に見えるようなパネル設計が要求される。
Farmの設計では、VCOは、あくまで発振器として位置づけ。別途「VCOドライバ」というモジュールを追加した。
鍵盤での演奏に必要なトータルの微妙な音程の設定や、ピッチベンド、モジュレーションホイル、ポルタメントなどの機能を別モジュールに追い出してした。複数のVCOに演奏情報を平等に伝えるモジュール。1VCOが前提のAnalog2.0にはない想定されてないモジュール。逆に、複数のVCOをドライブするには必須のモジュールとも言える。以下、何年も前の戦いの記録。
http://www.aleph.co.jp/~takeda/radio/VCO-DRIVER.htmlゆくゆくは、複数VCOのモジュラシンセとするとして、Analog2.0のデフォルトのパネル設計からはなれて、「VCOドライバ」がある前提で検討すると、どうかなと...。てか、今すぐ音出してえ、っちゅーのもあるなあ...。